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【ニュースレター】建設会社がなぜ農業を続けるのか

2026/07/07

建設会社がなぜ農業を続けるのか
~ 15年目の「サンワファーム」が育てる世羅のぶどう・サンチュと因島のレモン ~

総合建設業を中核に、鉄骨・住宅・不動産など幅広く事業を展開し、「快適生活創造企業」として地域基盤を支える三和鉄構建設株式会社(本社:広島県尾道市、代表取締役:中島裕一朗)は、「サンワファーム」として農業にも取り組んでおり、世羅町でぶどうとサンチュを、尾道市因島でレモンを栽培しています。
建設会社がなぜ農業を行うのか。一見すると異業種のように見える取り組みの背景には、創業者の農業への思い、地域から寄せられた土地活用の要望、そして地域の自然資源を活かした新たな事業づくりへの挑戦がありました。
本ニュースレターでは、当社の農業の道のりと想いをご紹介します。

 

始まりは、創業者の農業への関心と地域からの声
三和鉄構建設が農業に取り組み始めたのは、2008年頃のことです。当時、建設業の景気が落ち込み気味だった時期に、近隣の建設会社が農業に参入する事例があったことで、もともと持っていた創業者の農業への関心は高まっていました。
そんな時に、世羅町で空いている土地があるという声がかかります。当時の社長である現会長と当時の経営陣が現地を見に行き、地域資源を活かせる可能性を感じたことが、サンワファームの出発点となりました。建設業として培ってきた土地を見る力、土木や造成に関する知見は、農業との接点も少なくありません。
世羅町で推進されていた果物がぶどうだったこともあり、まずはぶどう栽培に挑戦しました。現在、サンワファームのぶどうは「空の雫」として展開。農園のある世羅町空口は標高が高く、空気が澄み、水もきれいな土地で、ぶどう栽培に適した環境とされています。

 

建設とは異なる「自然が相手」の難しさ
農業は土地があればすぐにうまくいくものではありません。最初に直面したのは、土壌の難しさです。思うような土づくりができず、栽培開始当初は収穫量が予定の半分にも満たないなど、多くの苦労がありました。現在では樹一本一本の根本にかん水チューブを設置し、液肥と水をコントロールするなど、独自の栽培技術を確立しました。建設業では、設計図や工程表に基づいて計画的にものづくりを進めることができますが、農業は天候、気温、雨量、土壌の状態など、毎年変化する自然環境と向き合う変数が多い仕事です。
そこでサンワファームが大切にしたのは、味を優先する栽培。農場のある世羅町は標高500mを超える高地にあります。夏でも夜間の気温が低いため、昼間の光合成でつくられた養分が果実に蓄積されやすく、糖度が高く香りのよいぶどうに育ちやすい環境です。
一方で、自然条件に頼るだけではなく、数年に一度、40カ所以上で土壌のサンプリングを行い、土壌診断の結果に基づいて農場・品種ごとに施肥設計を行っています。溶液状にした肥料を1日4回のかん水と同時に施用し、生育ステージごとに肥料の調合や濃度、かん水量を調整。農場長の厳しいチェックのもと、食味を重視した管理を行っています。
収穫については、試食を繰り返し、食べておいしくなってから始めるため、県内の他産地に比べて収穫開始が1週間ほど遅くなることもあります。収穫量は通常の農地より少なめですが、おいしいものを届けるため、一本一本の樹を丁寧に管理しながら品質を高めてきました。現在では、約3haの農地のうち、約2.5haの果樹棚でピオーネ、シャインマスカット、BKシードレスの3種の栽培。年間収量は約44tまでになっています。

 

 

ぶどうの次は、因島でのレモン栽培へ
ぶどう栽培が軌道に乗る一方で、課題もありました。ぶどうは収穫後、冬場の仕事が少なくなります。ぶどうの収穫後に農業チームが継続して取り組める仕事をどう生み出すかが課題でした。
そこで着目したのが、冬場にも仕事をつくりやすく、広島県の特産である柑橘です。柑橘栽培への関心を抱き始めたころ、尾道・因島に条件の合う土地が見つかりました。柑橘は種類が多い中で、広島県がレモンを推奨していたこと、レモンは比較的手がかかりにくく、チャレンジしやすいことも後押しとなり、因島でのレモン栽培が始まりました。収穫は着実に増え、現在、約1.3haでレモンを栽培、収量は約24tとなっています。

 

地域農業を引き継いだサンチュ栽培
サンワファームでは、2024年7月から、ぶどう農園のある世羅町でサンチュの栽培も始めました。きっかけは、農地の持ち主であった法人の撤退。地域の雇用を守るため、農地とハウスを引き継ぐ形で、約1.4haの敷地・ハウスでサンチュを栽培し、毎年約2,000万枚を収穫しています。

 

年間を通じて農業に向き合うためのチーム作り
サンワファームは、現在2つのチームに分かれて栽培を行っています。
ぶどうやレモンは季節性のある作物であるため、計7名のメンバーが季節によって世羅の空口農場と因島農場で生産。サンチュは年間を通して栽培が可能なため、技能実習生を含む全23名の専門チームで対応しています。作物ごとの季節性を踏まえながら、チームを分け、年間を通じて農業に取り組める体制を整えており、将来的には、レモン栽培については専門チームを組める規模での栽培を視野に入れています。

 

建設会社が農業をする意味
三和鉄構建設にとって、農業は単なる異業種参入ではありません。創業者の思いから始まったこの農業事業。15年以上続けてきた現在では、地域資源を活かす事業であり、地域の農地を次につなぐ取り組みでもあります。
建設業は、地域の土地、建物、暮らしの基盤をつくる仕事です。農業もまた、土地を読み、手を入れ、時間をかけて価値を育てる仕事です。ものづくりの対象が建物から農作物へと変わっても、地域に根ざし、土地の可能性を引き出すという点では共通しています。
世羅のぶどう・サンチュ、因島のレモン。三和鉄構建設の農業事業は、地域にある土地、人、自然環境を活かしながら、建設会社としての枠を越えて地域の未来を耕す取り組みだと考えています。今後も、地域に必要とされる農業のあり方を模索しながら、土地の力を引き出し、地域の未来につながる事業として育てていきます。

 

サンワファーム 農場長 大宮淳優
農業部門の長として私が農場を預かって10年目になります。農業という大きな利益を出しにくい分野を、企業として内包し事業化することで、長期的な視点での経営や技術の醸成、他産業並みの労働条件での雇用の創出が可能な点など、農場にとっては大きなメリットだと感じています。特に世羅町では、ブドウ2.5ha、水耕栽培施設1.4haの規模で営農を行っており、地域産業の担い手の一つとして様々な貢献を行っています。今後も地域農業の中核として、栽培技術の情報共有、規模拡大や新たな品目導入による雇用の創出などで地域に貢献し、組織内の一部門として、人材育成、合理化による生産効率の向上、売上増などで会社に貢献できればと考えています。

 

■三和鉄構建設株式会社について
三和鉄構建設株式会社は、1949年創業、広島県尾道市に本社を置く総合建設企業です。「仕事を通じ広く社会のお役に立ち、郷土の発展に貢献する」という企業理念のもと、地域社会とともに歩んできました。総合建設業を中核に、鉄骨の製作・施工を一貫して手がける工場を保有。加えて、不動産や住宅の新築・リフォーム・農業など幅広い分野に事業を展開し、「快適生活創造企業」として、暮らしを支える環境づくりに取り組んでいます。確かな技術力と誠実な姿勢を大切に、安全・安心で持続可能な社会基盤の整備に貢献しています。

会社名:三和鉄構建設株式会社
代表取締役社長:中島 裕一朗
住所:広島県尾道市高須町5267
設立:1960年9月30日 (創業 1949年11月14日)
資本金:49,500,000円
従業員数:147名(2026年2月現在)
事業内容:総合建設業、住宅新築・増改築、鉄骨加工、一級建築士事務所、宅地建物取引業、
ガソリンスタンド、農作物の生産・販売
HP:https://www.sanwa-group.info/

 

三和鉄構建設株式会社 広報事務局
担当:新田、中島、西門
Email:press@sanwa-group.info
TEL:0848-46-0914